1995年8月29日イリノイ州スプリングフィールド。
「妻が襲われた」と夫のマーク・ウィンガーから通報があり、警察が駆けつけました。

そこには、血まみれの男性とマークの妻のドナが倒れており、
茫然と立ち尽くすマークの姿がありました。

マークは、「自宅のキッチンで知らない男が妻をハンマーで殴っているところを目撃し
もう一度、妻を殴ろうとしたところ、銃で男性を撃った」と証言しました。

マーク·ウィンガーマークとドナ

出典:murderpedia.org

事件の数日前・8月23日にドナは養子にむかえた娘とともにドナの母親と養父の住むフロリダに旅行し、
空港からシャトルバンに乗って家まで帰宅しました。

そのシャトルバンの運転手はロジャー·ハリントン。
彼はおかしい運転手で、バンに乗っている90分間、
ドナは不愉快な話をロジャーから聞かされていました。

調べてみるとドナを襲った男は、ロジャー・ハリントンでした。
マークによると、最近、このロジャーに嫌がらせを受けていたといいます。

また、ロジャーは精神的な問題が過去あったことから、マークの正当防衛が認められて
事件はスピード解決したかに思われました。

1995 アメリカ ストーカー 妻ロジャー

出典:murderpedia.org

しかし、当初から不審を持っていた刑事ダグがいました。しかし、
彼は新人だった為、誰も聴く耳を持ちませんでした。

パートナーであるコックスも、当初はダグの意見を流していたものの、
事件後のマークの言動や行動から不信感を持つようになります。

マークは、事件後、自分の銃の返還を求めました。また、
ドナが亡くなると娘の面倒を見るベビーシッターレベッカを雇いますが、
なんとドナが亡くなってから僅か5ヶ月で結婚します。

不審な点が多数出てきたものの、彼らの上司が再捜査を認めず、事件から3年の月日が経っていました。

しかし事件から4年後、シュルツという女性から警察にある供述をしました。

シュルツは、ドナの友人でしたが、ドナが殺される数か月前からマークと浮気をしており、
ドナが殺されてからも浮気は数か月続いていたと語りました。

また、妻を殺そうとしている話もしていたと供述。


彼女は、ドナへの罪の意識から警察へ事実を話すことを決意したのでした。

マーク·ウィンガーロジャーの車

出典:murderpedia.org

その後、捜査は再度開始されましたが、3枚の写真の存在が浮かび上がってきました。
その写真には、ドナが殺された夜に病院に運ばれる前に撮影された写真でした。

それは体の位置が分かる写真でした。
ロジャーの頭と足の位置を見るとマークが供述した内容ではありえない位置で
ロジャーは倒れていました。

何故、このように初歩的な事が見逃されたのでしょうか?

今回の事件は、スピード解決という形で捜査が早くに打ち切りになった事。
そして、再調査される事がなかったところにあるだろうと言われています。

その後の調べにより、警察は
「犯人はマークで、妻殺しをロジャーに罪をかぶせたと」推測します。

事件当日、マークはロジャーを呼び出していますが
この件に関してロジャーの勤めていた会社のオーナーはこう語っています。

「ロジャーの運転に文句を言う為に、ロジャーを呼び出し、直接ドライバーと
話したかった。というが、通常、ドライバーに文句があれば会社に電話を掛けて来るのが
一般的であろう。」と。


結局、様々な矛盾や調査の結果、マークは2002年8月9日に仮釈放なしの終身刑の判決を受けました。

余談ですが、2006年に囚人仲間に元愛人のシュルツの殺人を依頼し、起訴されています。

マークの事件は、海外ドラマ「CSI:NYシーズン3」のエピソード「Open and Shut(蘇る悪夢)」
元にもなりました。

※ドラマでは犯人は女性

参考サイト:murderpedia.orgcrimelibrary.com

大昔の事件ではなく、1995年というつい最近と言ってもいい殺人事件。
初歩的なミスや、勝手な思い込み、そして慢心から起きた冤罪事件とも言えるでしょう。

ロジャーは、被害者であるにも関わらず、殺人犯にされこの世を去りました。
また、彼の家族もその事実に苦しみました。

また、マークの妻の家族も、娘を失くした辛さ、まさか
自分の娘の夫が娘を殺すなどと思っても見なかったことでしょう。

そして、マークの家族。最後まで、マークの無実を信じていたそうです。

そんなたくさんの人たちの気持ちをよそに、懲りずに
殺人を依頼しようとしたマーク。
彼の気持ちを理解することは永遠に出来ないでしょう。

しかし「ちょっとした事」で冤罪や、勘違いなどが起こってしまうという事を
実感する事件でもあります。

人間は完璧ではありませんが、一つ一つの事に責任を持つことの大切さを
痛感させられる事件だと思います。


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